相続した不動産の売却は、手続きの問題だけでなく「感情」と「お金」が絡むデリケートなテーマです。
実際、兄弟間のトラブルは珍しくありません。
また不動産は現金と違って分けられないため、「売りたい人」と「残したい人」が出やすい資産です。
この記事では、兄弟で揉めずに相続不動産を売却するための進め方を、実務目線で解説します!
なぜ相続不動産は兄弟で揉めやすいの?
主な理由はこの3つです。
① 感情
実家は単なる資産ではなく、思い出の塊だったりします。
思い出や親への気持ちから「売る=親を手放す感覚」に似たような感情になる方もいます。
② お金の事情
- すぐ現金化したい人
- 長期保有したい人
ここがズレると一気に対立します。
③ 判断軸の違い
- 投資として考える人
- 家族資産として考える人
まず知っておくべき法律の前提
■ 相続不動産は「共有名義」
相続が発生すると、不動産は
相続人全員の共有名義になるケースが多くあります。
たとえば、
- 兄と弟で相続した
- 遺言書がなく、分割協議が終わっていない
この場合、
不動産は「兄弟それぞれが持分を持つ共有状態」になります。
この共有状態のままでは、
1人の判断だけで売却することはできません。
だからこそ、
相続不動産の売却では
「共有名義」という仕組みを理解しておく必要があります。
■共有名義は「全員同意」が原則
共有名義の不動産は、
👉 原則として、共有者全員の同意が必要になります。
1人でも反対すると、基本は売れません。
ここを理解せずに進めるとほぼ揉めるので、覚えておきましょう。
兄弟で揉めない進め方【 5ステップ 】
STEP① 感情とお金を分けて話す
いきなり「売る・売らない」を話すのはNG。
先に整理する:
- 思い出 → 感情の話
- 売却 → お金の話
これを混合すると揉めやすいです。
STEP② 不動産の「客観的な価値」を出す
やること:
- 不動産査定(複数社)
- 必要なら正式鑑定
理由:
価格の根拠がないと
👉 「安く売ろうとしてる」
👉 「高く言ってる」
となります。
相続では、評価額の把握も重要です。
STEP③ 方針を“選択式”にする
例:
A:売却
B:賃貸運用
C:誰かが買い取る
相続不動産は
- 売る
- 貸す
- 保有
など複数選択があります。
「売るか残すか」の二択にすると対立しやすいです。
STEP④ お金のルールを先に決める
決めること:
- 売却費用は誰が負担?
- 修繕費はどうする?
- 固定資産税は?
- 売却益の分配方法は?
ここを曖昧にすると、後で揉めやすいです。
STEP⑤ 第三者を早めに入れる
相続不動産では、
話がこじれる前に第三者を入れることもおすすめです。
☑︎ 不動産会社
- 不動産の価値を客観的に示せる
- 売却・賃貸・買取など複数の選択肢を提示できる
- 当事者同士では言いにくい話を、第三者として整理できる
最初に入れることで、
「感情論」から「現実的な選択肢」へ話を戻しやすくなります。
☑︎ 税理士
- 相続税・譲渡所得税の影響を把握できる
- 「売った後、いくら残るか」を数字で示せる
感覚ではなく、
手取りベースで判断できるようになるのが強みです。
☑︎ 司法書士
- 相続登記
- 名義変更
- 持分整理
法的な手続きを正確に進めるために欠かせません。
☑︎ 弁護士
- 意見が対立し始めた段階で入れるのが理想
- 完全に揉めてからだと、時間も費用も大きくなります
「最後の手段」ではなく、
予防としての弁護士という位置づけです。
専門家費用はかかりますが、
訴訟になると数十万円以上かかるケースもあります。
実は多い「揉めるパターン」
▶︎なんとなく共有
「仲いいから大丈夫」
→ 後からより話し合いがこじれるケースが多い
不動産は物理的に分けられないので、
共有はトラブルになりやすいです。
▶︎価格で揉める
- 売却価格
- 修繕するか
- 仲介か買取か
▶︎維持費で揉める
- 固定資産税
- 管理費
- 草刈り
- 修繕
どうしてもまとまらない場合
最終手段:
- 持分買取
- 分筆
- 裁判(共有物分割)
※裁判は
時間
お金
関係性
全部消耗します。
まとめ
揉めない為にやるべきことチェック表
✔ 感情とお金を分けて話す
✔ 価格は必ず「第三者基準」
✔ 選択肢を複数用意する
✔ お金のルールを先に決める
✔ 専門家を早めに入れる
最後に
相続不動産で揉める人は、
「仲が悪い」からではありません。
ルールを決めないまま進めるからです。
ここを外さなければ、
兄弟関係を壊さずに進められます。
この記事がお役に立てれば幸いです。☺︎
